Top > Main Contents > Solo

Stairway To Heaven / LED ZEPPELIN
 
 あまりにベタでこっぱずかしい限りですが、この曲のソロは次代に伝えていかなければいけません。ソロというよりもこの曲自体が世界遺産です。Zeppelinの数々の名曲の中でもダントツで認知度は高いでしょう。
 敢えてギターソロのパートに絞ってコメントしますが、この曲のソロはやはりスタジオバージョンがベストです。決して速くはないし、それほどテクニカルという訳ではありません。しかし、陳腐な表現ではありますが、どの一音も欠けてはならない、またこれ以上一音たりとも増やしてはならない、そんな完璧なコンポーズです。ギブソンSGのツインネックをこの上なくかっこよく演奏するライヴバージョンももちろん素晴らしいですし、ライヴごとに微妙に異なるアドリブもこれぞジミー・ペイジというものです。ギターを縦にしてネックを高々と掲げ、恍惚の表情で、かつ龍の昇るパンタロンも軽やかに駆け回るペイジの様相も合わせて、ロックとは結局ギターヒーローによって成り立っている、という自明の理を示すものであります。
Burn / DEEP PURPLE

 この曲がなかったらおそらく雑誌BURRN!はなかったでしょうし(ていうか、別の名前だったでしょう)、タマホームのCMもなかったでしょう。
 キャッチーなイントロ、キャッチーな歌メロ、ブリッジでのグレン・ヒューズのハイトーン、そして一瞬の静寂の後の1億2千万人の日本人におなじみのコーラスパートと、「イントロ」でも「アドレナライズ」でも「無人島に持っていく」でも何でもランクできるマスターピース中のマスターピースです。
 この曲のソロは、フレーズ、スピード、テクニック、どれをとっても減点材料がありません。この曲(または、Highway Star)でみんなハードロックの虜になるんです(断言!)。また、パープルお約束のジョン・ロードのソロとのバトルも素晴らしく、ジョン・ロードのソロそのもののフレーズも非の打ち所がなく、他のどのキーボードプレーヤーのソロも結局ジョン・ロードの真似に過ぎないと思わせるに十分な完成度です。
Lights Out / UFO

 この曲のソロは、あくまでもスタジオ・ヴァージョンではなく、ライヴ・アルバムの傑作中の傑作、Strangers In The Nightに収録されたヴァージョンです。マイケル(シェンカー)は、MSGになってからも、古くも新しくもこの曲をステージで演奏しますが、やはりこのヴァージョンを超える奇跡を生み出すことはありません。もっとも、ヴォーカルがフィル・モグでないとやはり本物ではないというのが大きいのですが。
 この曲はそのスピード感、ドライヴ感、歌メロの素晴らしさ、とにかく楽曲が素晴らしいんです。楽曲が良くなければギターソロだけ良くても名曲とは言えません。
 この曲のソロは2回あります。どちらもいわゆるドライヴ感がハンパないです。「ギターが走る」と言う表現がぴったりだと思います。リズム隊との一体感、どこまでも軽やかにストレスなく回る高回転エンジンのような疾走感はこのライヴアルバムにおいて特に体現される奇跡です。Lights out, lights out Londonと言う所をLights out Chicagoに言い換えた時のオーディエンスの盛り上がりも余すところなく封入したあざとい演出も含め、ロック史上に残る演奏です。
Fortune In Lies / DREAM THEATER

 我らがDREAM THEATERの記念すべきデビューアルバムの1stトラックです。まさにDTがメジャーシーンにおいて産声を上げた瞬間です。この正に1曲目にはDTの音楽性の全てが封入されています。ハードさ、スピード感、その上一定のスピードではない変拍子によるプログレッシヴな構成と展開、各インストゥルメントのテクニックとアンサンブル、歌い上げるハイトーンボーカル、そしてジョン・ペトルッチのキメキメのギターソロ。他でも書きましたが、JP(ジョン・ペトルッチ)は本当に引き出しの多いギタリストです。速弾き、テクニカル性、エモーショナルなフレーズ、キーボードとの絶妙なアンサンブル。
 この曲で特筆すべきテクニックはタッピングです。タッピングによるかっこいいフレーズはエディ(ヴァン・ヘイレン)もびっくりです。ただ、素人目にもこのタッピングからいきなりフルスピードで入るソロはかなり難しいと思います。ライヴにより多少ズレがあったりします。また、スウィープなどのテクニックもふんだんに盛り込み、「俺たちはこれだけのテクニックと作曲能力を持っているんだ。待ってろ世界」(ちょっとクサイですが)と言わんばかりの堂々たる演奏です。
 オリジナルは初代シンガーのチャーリー・ドミニチが歌っていますが、ジェイムズ(ラブリエ)によって永遠の命を得たのでした。めでたし、めでたし。
You / G-FORCE

 一時期、ゲーリー・ムーアは日本でもかなりメジャーなギターヒーローでした。その戦闘的でありながら哀愁漂う楽曲と泣きまくるギターワーク、どこか垢抜けない風貌、決してうまくはないが味のあるボーカル、女の子がキャーキャー騒ぐロック・スターではなく、ボンズたちに圧倒的に人気のあるスターでした。
 ギターソロという点では傑出した才能を持つゲーリー・ムーアの楽曲の中にあって飛び切りかっこいいソロを持つのがこの曲、Youです。この曲は彼がThin Lizzyを脱退したあとに作ったG-Forceというバンドの唯一のアルバムの1stトラックです。ヘヴィだけとわくわくするキャッチーさを持ち合わせるリフのイントロ、どちらかというハイトーンのボーカル、そしてなぜかメジャー調のコーラスパートと、曲そのものもとてもいい感じです。そしてこの曲のギターソロのかっこよさは、もう衝撃的です。かっこいいとしか表現のしようがないんです。ひたすらにかっこいいソロの終盤では、キーボードとのベタなハーモニーで大団円を迎えます。ただ脱帽するのみです。
 もう、ゲーリー・ムーアは私たちと関係のない所で仕事をしていますが、ハードロッカーだった頃に残した楽曲群は決して色褪せることなく、私たちの心を揺さぶり続けています。合掌(生きてる生きてる).
(以下2011.4.29追記)
「生きてる生きてる」とツッコミを入れたところで終っているコメントでしたが、残念なことに2011.2.6本当に帰らぬ人となりました。享年58歳。まだまだ若い。波瀾万丈のギタリスト人生はまだまだこれからもたくさんの岐路を迎え、多くの人々に感動を与えたであろうと思うと大変残念です。昨年のロニーの死といい、今後もスーパースターの死を体験していかなければならないのだろうと思うと胸が痛みます。最後に、Anger As Artのフロントマン、スティーヴ・ゲインズ(一部スコット・ゲインズと書かれているサイトがありましたが、Steve Gainesです)のコメントがあまりにかっこよかったので載せておきます。
「ゲイリー、フィル(・ライノット)が出迎えてくれていると願っている。コージー(・パウエル)を探してくれ。そして、俺らがそこに行くまでに、アルバム何枚分かの曲を作っておいてくれ」Rest in peace.
Beat It / MICHAEL JACKSON

 追悼、マイケル・ジャクソンということで。
 Beat Itはまぎれもなくロック・チューンで、ロックなメインリフとマイケル(ていうかマイコー)のスリリングなハイトーンボーカル、そしてそしてなんと言ってもめちゃめちゃかっこいいギターソロ。演奏は我らがエディ・ヴァン・ヘイレン!誰かがエディの真似をして、あるいはエディ的なソロを弾いているのだと思ったら、エディ本人が弾いているということで全世界が驚愕した(オーバーか)ソロです。なんでもマイケルがエディに電話で「ねえ、ねえ、エディ、僕のためにちょこっと弾いてよ」と頼んだら、「うん、いいよお」と快諾して一発でアドリブで弾いたフレーズだと言う話です。
 まさにエディの代名詞と言えるタッピングを効果的に盛り込み(実はあまり多くタッピングで弾いてはいないんです)、リスナーのロック魂を否が応でもアジテートするそのソロは世界のギターキッズのコピーターゲットとなったのでした。
 なんとこの曲のギターはスティーヴ・ルカサーも弾いているのだそうです(from Wikipedia)。そりゃ良い曲になるわけですよ。マイケルの追悼コンサートでエディがギター弾いたらすごいだろうなと思いましたが、残念ながらそれは実現しませんでしたね。合掌。

Mr. Crowley / OZZY OSBORNE


 私は、オジーの信奉者でもないし、はっきり言ってあのキャラと声は今一つのめり込めない人間の一人です。Black Sabbathでも、トニー・マーティン時代が一番好きというタイプです。このMr. Crowleyという曲も、好きで好きでたまらない曲ではありません。むしろ無駄におどろおどろしく(なんてったって邦題が「死の番人」!)(笑)、オジー節炸裂で美麗な展開を身上とする私の美学には合わないのですが、そんな私でもランディー・ローズが天才で、1982年わずか25歳でこの世を去ったその才能を後世に伝えなければならないことぐらいは認識しています(そんな大層な)。
 ランディーの崇拝者は世の中にたくさんいらっしゃるのであまり多くは語りませんが(知ったかぶるとボロが出るゆえ)、私が知っている中ではこの曲でのランディーのソロが一番好きです。まったりまったりした曲の展開の中に唐突に華麗で天にも昇るようなソロが何の前触れもなく始まります(本当に前触れがないのか?)。神の祝福のようなそのソロはランディーの魂とともにはるか上空まで駆けあがるのです。そしてまたオジーの声が入り、ああ、このオッサンの曲だったと現実に引き戻されるのです。
 しかし、最後にもう一度ヒステリックとも言えるエキサイティングなフレーズを奏で、ランディーは神の元に召されていきます。永遠に不滅の余韻を聴く者に残しながら。合掌。
    
 

Page Top


この改行は必要→
inserted by FC2 system